表計算では無理のないポジションに見えても、生活の中では大きすぎることがあります。

夕食中に株価を確認する。普通の押し目で集中力が途切れる。わずかな値動きが、自分の判断への評価のように感じられてくる。その感覚は振り返る価値があります。ただ、それだけで適切な株数を計算できるわけではありません。

『Think and Trade Like a Champion』のポジションサイズに関する箇所を読んで印象に残るのは、話がすぐに「その銘柄をどれほど気に入っているか」の外へ進むことです。Minervini は保有量を、予定する手仕舞い価格、経験、集中度、そしてギャップの可能性と結びつけています。『Momentum Masters』でも、登場するトレーダーのリスク管理はそれぞれ異なります。その違いが参考になる。全員に共通するひとつの比率で、トレーダーも銘柄も相場環境も同じ条件にはできません。

私が持ち帰ったのは、熱意に任せる仕事を小さくすることでした。調べる原動力にはなってもらう。でも、株数までは決めてもらわない。

CPAY:押し目のあと、強さが戻った足で考える

Corpay(NYSE: CPAY)は 2026 年 10 月 15 日、AlpharvestPro の AVWAP Pullback Reclaim(Brian Shannon) プリセットに該当しました。データベースの日付付きスクリーニング記録で確認できる結果です。私が注目するのは、その背景にある値動きの順序です。

10 月 14 日、CPAY は 389.76 ドルまで下げ、393.02 ドルで引けました。終値は、紫色で示すアンカード VWAP(AVWAP)を下回っています。翌 10 月 15 日は反発し、当日の値幅は 395.95~406.25 ドル。終値は 406.20 ドルとほぼ高値で、AVWAP を再び上回りました。

買値の比較には、この 10 月 15 日の強さを示す足を使います。Brian Shannon の押し目後の強さについての解説にある、下げたあとに買いが戻る証拠を待つという考え方が、ここでの背景です。

その足の範囲内に、2 つの仮の買値を置いてみます。

  • 当日の高値付近:406.25 ドル。
  • 当日の高値と安値の中間:401.10 ドル。 ここでいう中間値は、(406.25 + 395.95) ÷ 2 = 401.10 ドルです。

両方の例で、仮の損切り価格を 388.90 ドルにそろえます。10 月 14 日の押し目の安値は 389.76 ドルなので、この見えやすい基準の下に 0.86 ドルの余裕を取った設定です。回復の想定が崩れたと判断する前に、一時的な安値割れをある程度許容したい、という考え方です。その余裕はエントリー前に決め、買値から損切りまでの全値幅で株数を計算します。

短期的な値動きでもストップ注文は発動し得ることを、米 SEC のストップ注文に関する説明も指摘しています。余裕を取れば安値付近の値動きに対応する幅は広がりますが、損切りを避けられる保証にはなりません。この日足から、そこで誰が売買したか、機関投資家やアルゴリズムが意図的にストップを狙ったかは判断できません。0.86 ドルは説明用の設定であり、最適化された値ではありません。

2026 年 10 月 15 日までの Corpay の日足。強調した 10 月 15 日の足に、高値 406.25 ドルと高安の中間値 401.10 ドルの買値基準を表示。共通の仮の損切りは赤い破線の 388.90 ドル。紫は 9 月 30 日を起点とする AVWAP。

緑は強さを示した足の高値 406.25 ドル、青は高安の中間値 401.10 ドルです。それぞれから共通の赤い損切り線 388.90 ドルまで測ると、1 株当たりの値幅は 17.35 ドルと 12.20 ドルになります。

これは確定した日足を使う、事後的な株数計算の例です。最終的な高値・安値やスクリーニング結果から、日中のどの時点で何がわかっていたかは確定できません。エントリーの合図が出たあと、どちらかの価格で約定できたとも限りません。中間値付近で買う場合にも、その時点で強さが戻る証拠が必要です。単にその価格に触れただけでは十分ではありません。

同じ銘柄、同じ損切りでも、株数は変わる

口座の純資産を 40,000 ドルとし、この練習ではその 1%、つまり 400 ドルを計画上の損失予算に設定したと仮定します。口座条件は説明用の入力値です。

計算は 損失予算 ÷(買値 − 損切り価格)。端数を切り捨て、整数の株数にします。

計算項目 足の高値付近で買う例 足の高安の中間で買う例
買値の基準 406.25 ドル 401.10 ドル
共通の損切り価格 388.90 ドル 388.90 ドル
1 株当たりの計画リスク 17.35 ドル 12.20 ドル
400 ドルの予算に収まる株数 23 株 32 株
ポジション金額 9,343.75 ドル 12,835.20 ドル
損切り価格で約定した場合の計画損失 399.05 ドル 390.40 ドル
40,000 ドルの口座に対する投資比率 23.4% 32.1%

高値なら 400 ÷ 17.35 で 23 株。中間値なら 400 ÷ 12.20 で 32 株です。どちらも 1 株増やすと予算を超えます。高値で 24 株買えば計画リスクは 416.40 ドル、中間値で 33 株なら 402.60 ドルです。いずれも、記載した買値と損切り価格で約定する前提です。

中間値の例で 9 株多く買えるのは、1 株当たりの共通の損切り価格までの距離が短いからです。 計画上のドル建て損失は、どちらも 400 ドルに近い水準に収まります。

Minervini の説明で、私の中に残ったのはこの部分です。銘柄の魅力は同じでも、買値が違えば株数は大きく変わる。実際に買える価格が上がったら、低い買値で計算した大きな株数をそのまま使わず、計算し直す必要があります。

表には、もうひとつの違いもあります。中間値の例では口座の 32.1% を使うのに対し、高値付近では 23.4% です。計画上の値下がりリスクが近くても、資金の集中度は異なります。利用可能な現金、ほかの保有銘柄、売買コストによっては、計算上の上限より少ない株数を選ぶ理由になります。

低い買値が役立つのは、その位置でもセットアップの根拠がある場合です。株数計算で、足りない強さの証拠を補うことはできません。

計算機で、2 つの買値を試してみる

AlpharvestPro メインサイトのポジションサイズ計算機を開いてください。画面が日本語の場合、計算機の上にあるダッシュボードの JA / EN ボタンで英語へ切り替えると、以下の画面例と項目名を照合できます。

  1. Account Equity(口座純資産)を 40000、Market(市場)を US (USD) に設定します。
  2. Risk per Trade(1 回の取引のリスク比率)を 1.00% にし、任意のティッカー欄に CPAY を入力して、Long(買い)を選びます。
  3. 高値で買う例では、Entry Price(買値)を 406.25、Stop Loss Price(損切り価格)を 388.90 にします。米国株の売買単位は 1 株です。
  4. Calculate(計算)を押します。結果が 23 株、1 株当たりリスク 17.35 ドル、計算上のリスク 399.05 ドルとなることを、表と照合します。

AlpharvestPro ホームページの実際の計算機。口座純資産 40,000 ドル、リスク 1%、CPAY の買値は 10 月 15 日高値の 406.25 ドル、損切りは 388.90 ドルという仮定で、23 株、計算上のリスク 399.05 ドルを表示。

高値の例:買値 406.25 ドル、損切り 388.90 ドル、23 株。「Risk Amount」は 400 ドルの予算、「Actual Risk」は入力価格に基づく 399.05 ドルの計算結果です。コストやスリッページは含みません。

次に、Entry Price だけを 401.10 に変更します。損切りは 388.90 ドルのまま、もう一度 Calculate を押してください。結果は 32 株、1 株当たりリスク 12.20 ドル、計算上のリスク 390.40 ドルになります。

同じ口座、損失予算、損切り価格のまま、買値だけを 10 月 15 日の高安の中間値 401.10 ドルに変えた実際の計算機画面。32 株、計算上のリスク 390.40 ドルを表示。

中間値の例:買値 401.10 ドル、損切り 388.90 ドル、32 株。2 枚とも 2026 年 10 月 16 日に、公開されている実際の計算機へ仮の条件を入力して撮影しました。画像を押すと拡大できます。

私には、注文画面を開く前のこのひと呼吸が役立つように思えます。買値、想定が崩れる位置、損失の可能額を同時に見るためです。株数を増やしたいから損切りを近づけるのでは、この練習の意味がなくなります。まず、損切り位置にチャート上の根拠が必要です。

損切りは計画。実際の約定は市場で決まる

399.05 ドルと 390.40 ドルという数字は、それぞれの買値で取得し、全株を 388.90 ドルで売却できるという、コストを含まない計算です。ギャップやスリッページにより、実際の損失が大きくなることがあります。Investor.gov の説明では、ストップ注文は発動すると成行注文になり、約定価格は保証されません。注文の仕組みを確認する。

この制約は、Minervini が述べる、ギャップでストップ水準を飛び越えるリスクにつながります。『Momentum Masters』や Morales、Kacher の著作にある流動性の議論も、株数計算と並べて読む意味があります。昨日の売買状況は、明日の手仕舞いを保証しません。

身につけたい手順はシンプルです。買いたい強さを確認し、想定が崩れる位置を決め、実際に得られる買値から株数を計算する。多くの資金を投じたからといって、判断の根拠が強くなるわけではありません。

参考文献とチャートについて

Mark Minervini『Think and Trade Like a Champion』第 8 節、ストップを超えるギャップの議論を含む。『Momentum Masters』の Minervini の回答 S2-2、S8-1/S8-2。ほかの登場トレーダーには、それぞれ独自の手法があります。Gil Morales、Chris Kacher『Trade Like an O’Neil Disciple』第 6 章の空売りにおける流動性。前掲の Shannon のリンクは、エントリーの考え方に関する公開の補足資料です。CPAY の例は本記事独自の説明であり、これらの著者による実際の売買ではありません。

Corpay(NYSE: CPAY)、米ドル建て。期間は 2026 年 9 月 21 日~10 月 15 日。AVWAP は保存された 9 月 30 日の起点を使用。買値の基準は 10 月 15 日の高値と高安の中間値で、セント単位に丸めています。共通の損切りは 10 月 14 日の安値より 0.86 ドル下です。2 つは選択肢としての仮の約定例であり、同時保有や実際の約定を主張するものではありません。プリセットへの該当は日足確定後の観察です。日中のアラート、約定の順序、その後の結果は示していません。口座条件と損切りは説明用で、非公開のプリセット設定は掲載していません。出典と計算はチャートについての注記に記載しています。

チャートの作成方法と制約

AlpharvestProが既存のYahoo Finance/yfinance由来の日次保存データから作成したチャートです。ローソク足には保存された始値・高値・安値・終値を使い、別項目の調整後終値は使っていません。出来高の単位は百万株。休場日は横軸上で省略しています。事後取得の保存データのため、過去の調整によって当時の表示価格と異なる場合があります。選んだ事例は説明用であり、バックテストではありません。

CPAYのチャートは2026年10月15日までで、保存データは10月16日に取得しました。AVWAPは記録された9月30日を起点に、各日の代表価格(高値+安値+終値)÷3を出来高で加重して累積したものです。観察期間より後の足は計算に含みません。買値の例は確定した10月15日の日足に基づき、日中の合図や約定を確定するものではありません。

学習のための解説であり、個別の投資助言や売買推奨ではありません。

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